竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 118


第八章 帝のお召しに応じないかぐや姫 21


おじいさんが泣くのをみて、姫はどうしたら
いいのかわかりません。
「月の国には、私の父も母もいます。わずか
な間だけといって、月の国からやってきまし
た。でも、この国で、長い年月がすぎてしま
いました。


月の国にいる父と母のことは、もうおぼえて
いません。この地上で、長い間滞在したので、
月の国へ帰れると聞いても、少しもうれしく
ありません。


      つづく