竹取物語

[童話]竹取物語


竹取物語 138


第十章 帝、不死の薬を高い山で焼く 3


すると、ある人が、
駿河の国にある山が、都にも近く、天にも
近いといわれています」と答えました。
帝が、歌を詠みました。


 あふこともなみだにうかぶ我が身には

 死なむ薬も何にかはせむ


かぐや姫からもらった不死の薬の壺に手紙を
つけて、御使に渡しました。
勅使の調(つき)の岩笠を呼び、駿河の国に
ある山の頂きに、壺と手紙を持っていくよう
に、命令しました。


         つづく