古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」


古事記神話「古事記物語」37


八岐大蛇(やまたのおろち) 2


「おまえたちは、何者じゃ」
「わしは、国津神・大山津見の子で、足名椎
(あしなづち)。妻は、手名椎(てなづち)。
娘は、櫛名田比売(くしなだひめ)といいます」
「なぜ泣いているのだ」
「わしには、娘が八人いました。毎年、八岐大
蛇がやってきて、七人の娘を食べてしまいまし
た。もうすぐ八岐大蛇がやってきます。この娘
が、八岐大蛇に食べられてしまうかと思うと悲
しくて・・・」


「八岐大蛇は、どんな姿をしているのだ」
「それはもう恐ろしい怪物で。目は、ホオズキ
のように真っ赤。一つの体に、頭と尾が八つ。
体には、桧や杉の木がはえていて、こけがびっ
しり。長さは、八つの谷と八つの山ほど。腹に
は血がついており、赤くただれています」


       つづく