古事記神話「古事記物語」53
大国主命
赤い猪 3
「あっ」
声をあげた時には、大国主命の体は、赤く焼
けた石のはだにこびりついてしまいました。
大国主命は、焼け死んでしまったのです。
そのことを知った大国主命のおかあさんは、
嘆き悲しみました。
泣きながら大空へかけのぼっていき、高天原
にいる神産巣日神(かむむすひのかみ)にお
願いしました。
「どうか私の息子を助けてください」と。
神産巣日神は、蚶貝比売(きさがいひめ)・
蛤貝比売(うむがいひめ)と名のついた赤貝
と蛤を呼び、下界へ送りました。
二人は、蘇生の特殊能力を持っている女神で
した。
つづく