古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」


古事記神話「古事記物語」60


大国主命

大国主命の試練 4



心のやさしい須勢理比売は、大国主命を気の
毒に思い、比札といって肩かけのようなきれ
をそっと渡しました。
「もし蛇が近づいてきたら、このひれを三度
ふって、蛇をおいかえしなさい」
須勢理比売が室を出ていくと、たくさんの蛇
がかま首をもたげ、いっせいに大国主命にむ
かってきました。


蛇が嫌いな大国主命は、気絶しそうでした。
夢中で、ひれを三度ふりました。
すると、蛇たちは急におとなしくなり、部屋
のすみへひきさがっていきました。


         つづく