火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 7


第一章 次郎、西の村へ 5 


「おらも、きよちゃんと別れるのは辛い。でも、
仕事だからしかたがない」
次郎は、割り切っているようでした。
「次郎さん。引越しをしても、私と会ってくれ
る?」
「もちろん。時々会おうね」


「どうやって会うの」
「おらは、あまり休みがない。だから、夜しか
会えない」
「じゃあ、私が会いに行くわ」
「えっ、きよちゃんが」
「次郎さんは、休みがないんでしょ。だったら、
私が会いにいく」


         つづく