火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 8


第一章 次郎、西の村へ 6 


「でも・・・きよちゃんは、女の子。暗い夜道を
何時間も歩かなくてはならないのだよ。きよちゃ
ん、夜道を一人で歩けるの」
次郎が心配して聞きました。
「大丈夫。次郎さん」
きよは、きっぱりいいました。
「大好きな次郎さんのためなら、私どんなことで
もする」
きよは、心の中でそっとつぶやきました。


「次郎さん。お願いがあるの。 私と会う日には、
大きな火をたいてほしいの。私、その火を目印に
して訪ねて行くから」
「目印に火か。いい考えだね。でも、遠くから火
が見えるかな」
「夜になれば、真っ暗だわ。だから、見えると思
う。ねぇ、次郎さん。いつ会うの」


          つづく