火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 24


第三章 湖の氷の上を歩く娘 6


「明神さま。何かご用でしょうか」
「夜遅く、もうしわけない。早速じゃが、二人
に頼みたいことがあるのじゃ」
「何でございましょう」
「実は、夜中に、湖の氷の上を歩く娘がいるの
じゃ」


「氷の上を歩く娘? 明神さま。湖の氷は、ま
だ薄い。氷の上を歩くなんて、危険です。こん
な寒い日に、湖に落ちれば死んでしまいますよ」
足長が、心配していいました。
「だから、娘が湖に落ちないように、二人でみ
はっていてほしいのじゃ」


          つづく