2019-08-08 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 30 第四章 一ヶ月に一度の出会い 4 「熱なんてないわ。次郎さん、心配しないで。 私の手は、いつも熱いの。さあ、冷めないう ちにお酒を飲んで」 きよは、次郎に酒をすすめました。 「うまいっ」 次郎は、こんなおいしい酒を飲んだのは、初 めてでした。 会うたびに、きよちゃんが持ってくる酒が熱 くなっている。 きよの自分に対する思いが、日ごとに強くな っていることに気づき、次郎はとまどいました。 つづく