火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 31


第四章 一ヶ月に一度の出会い 5


きよちゃんの気持は、うれしい。
おらも、きよちゃんが大好きだ。
でも、次郎は、心のどこかで不安を感じていま
した。
何に対する不安なのか、次郎にもわかりません
でした。
次郎は、きよのそばにいると、ほっとします。
そして、心がなごみました。
「きよちゃんて、ふしぎな人だな」
次郎は、きよと会うたびにそう思います。


次の朝。
「次郎さん。今度は、いつ会えるの」
きよが聞きました。
「今、野良の仕事が忙しい。だから、今度会う
のは、一カ月後かな」
「一カ月後?」
「そう、一カ月後」


       つづく