火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 33


第四章 一ヶ月に一度の出会い 7


「どうして、私たちが会っていることが、わか
ったの」
「おれ、きよちゃんと会う日には、家に用事が
あるといって、ここへきていたんだ」
「次郎さん。なぜ、ほんとのことを、主人にい
わなかったの。 最初にきちんと話しておけば、
なんでもないことなのに。次郎さんは、私と会
うことが迷惑だったの」
きよが、強い口調でいいました。


次郎は、こんなきよをみたことがなかったので、
びっくりしました。
「いや、ちっとも迷惑ではない。ただ、きよち
ゃんのことを、主人に話せなかったんだ」
「なぜ話せなかったの」


         つづく