火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 40


第五章 次郎の見合い 2


一カ月ぶりに会えると思うと、何時間もかか
る遠い道のりも、暗い夜道も、少しも苦にな
りませんでした。
何時間もかけ、やっと次郎の所へつきました。


「次郎さん。会いたかったわ」
「きよちゃん。遠い所をご苦労さま。一カ月は、
ほんとに長かったね」
次郎は、笑顔できよを迎えてくれました。
きよは、次郎の笑顔をみてほっとしました。
二人は、一カ月間のできごとを、夢中で語りあ
いました。楽しいひとときでした。


「きよちゃん」
「次郎さん、何?」


         つづく