火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 45


第五章 次郎の見合い 7


次郎の見合いの話など、きよは聞きたくあり
ません。
でも、気になってしかたがなかったのです。
「うん。した」
「次郎さんは、その人と会わないといったの
に、どうして会ったの」


「きよちゃん、ごめん。おれ、主人にことわ
りきれなかったんだ」
次郎が、すまなそうにいいました。
「やっぱり、次郎さんはその人と会ったのね。
次郎さんは人がいいから、ことわりきれない
だろうなと思っていたわ。で、どんな人だっ
たの」


        つづく