2019-09-09 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 62 第六章 湖を泳ぐ娘 10 「次郎さん。私ね、湖を泳いでいると、魚になっ ちゃったのかなって、思う時があるの」 「魚になる?」 「そんな時は、すーいすーいと、早く泳げるの。 誰かが、たぶん神様でしょうね。私を守っていて くれるのだなって思うわ」 「きよちゃんが、魚に? そんなばかな」 そういって、次郎はだまってしまいました。 「今夜は、きよちゃんの話についていけない」 次郎は、心の中でそっとつぶやきました。 つづく