火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 64


第六章 湖を泳ぐ娘 12


次郎の心の中で、きよに対する疑いがどんど
んふくらんでいきました。
その一方で、次郎は思いました。
おらは、小さな時から、きよちゃんが大好き
だった。
そんなきよちゃんに、なぜ疑いの気持をいだ
くのだろうか。


きよちゃんが、魔物であるはずはない。
小さな時から大好きだったきよちゃんに、疑
いの気持をいだくなんて、おらはどうかして
いる。
次郎は、自分の気持をコントロールすること
ができなくなっていました。
そのため、きよの話を聞いていませんでした。


        つづく