2019-09-16 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 69 第六章 湖を泳ぐ娘 17 「おらが好きなのは、きよちゃんだけだよ」 次郎はそういったけれど、きよには次郎のこと ばが白々しく聞こえました。 「次郎さんのうそつき。次郎さんの心の中には、 その人が住んでいるのに、なぜそんなことをい うの」 きよは、心の中でさけびました。 その日、きよと次郎は、きまずいままで別れま した。 こんな別れ方をしたのは、初めてでした。 つづく