[童話]火とぼし山
火とぼし山 70
第六章 湖を泳ぐ娘 18
私は、今でも次郎さんが大好き。
でも、次郎さんの心の中には、私以外の人が住
んでいる。
その人は、大きな農家の一人娘。
その人と結婚すれば、次郎さんは一生気楽に暮
らしていけるものね。
だから、次郎さんは、私がじゃまなのではない
だろうか。
きよは、次郎と過ごした日々を思い出しながら、
とぼとぼと家に帰りました。
「私と次郎さんは、これからどうなるのだろう。
いつか次郎さんと別れる日がくるのだろうか」
きよは、不安な気持で、毎日を過ごしました。
つづく