[童話]火とぼし山
火とぼし山 76
第七章 新しい出発 6
「あなた、何をいっているの。私たちが、きよ
を助けるんでしょ。足長、私を背負って、淵の
まわりをゆっくり歩いてちょうだい」
「手長。そんなことをしたら、わしらもうずに
まきこまれてしまうぞ」
足長が、うずをみていいました。
すると、手長がいいました。
「私、きよのためなら、どんなことでもしてあ
げたい。あなた、私を背負って、うずのまわり
を歩いてくださいな。私が、きよを助け出すか
ら」と。
「わかった。でも、手長、くれぐれも気をつけ
ておくれ」
足長が、心配していいました。
つづく