[童話]火とぼし山
火とぼし山 79
第七章 新しい出発 9
どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。
手長の手に、何かひっかかりました。
「あなた。何かひっかかったわ」
二人は、力をあわせてひきあげました。
きよでした。
きよは、水を飲んでいるのか、ぐったりしてい
ます。
「早く水をはきださなくては」
手長と足長は、きよをかかえ岸にあがりました。
そして、水をはきださせました。
「きよ」
「きよ」
二人は、何度もきよの名をよびました。
でも、きよの意識はもどりません。
つづく