[童話]火とぼし山
火とぼし山 80
第七章 新しい出発 10
「明神さま。今、きよを助けました。しかし、
意識がもどりません。どうしたらよいでしょ
うか」
「きよを、わしのやしきへ運んでくれ」
「はい、わかりました」
手長と足長は、明神さまのやしきへ、きよを
運んでいきました。
「手長、足長。ご苦労さま。きよを助けてく
れてありがとう」
明神さまは、二人に何度も礼をいいました。
「さあ、そこへきよをねかせておくれ」
「はい」
手長と足長は、ふとんの上にきよをねかせま
した。
「きよ」
「きよ」
「なぜ、うずにはまったのじゃ」
明神さまは、心の中できよに話しかけました。
つづく