火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 83


第七章 新しい出発 13


「そんな・・・」
そういったまま、きよはだまってしまいました。
いくら明神さまが話しかけても、きよは何も答
えません。


「明神さま。きよは、だいじょうぶでしょうか」
手長が心配して聞きました。
「だいじょうぶじゃ。三日もすれば、意識がも
どるだろう」
「意識がもどれば、おぼれた時のことを思い出
すのでしょうか」
「さあ、それはわからん。ちゃんと記憶がもど
るといいのだが」
明神さまが、心配していいました。


         つづく