火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 85


第七章 新しい出発 15


次郎も、主人の姪に会うまでは、きよのことが
大好きだった。
でも、みよに会ってから、次郎の心はだんだん
に変わっていったのだろう。
そして、次郎は、大きな農家のむこになりたい
と思うようになったのだろうな。


きよ。次郎のことは忘れるのじゃ。
心がはなれてしまった人に、いくら心をよせて
みてもどうなるものではない。
次郎のことは、忘れてしまいなさい。
そして、一日も早く、きよにふさわしいすてき
な人をみつけてほしい。
明神さまは、眠り続けるきよの顔をみながら、
心の中で話しかけました。


        つづく