2019-10-07 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 90 第七章 新しい出発 20 「やはり、きよは何もおぼえていないのですね。 自分の名前も、大好きだった次郎のことも、み んな忘れてしまったなんて。かわいそうに」 手長は、きよの気持を思うとやりきれません。 「手長、足長。そういうわけなので、きよが眠 っている間に、静岡までつれていってほしい」 「はい、わかりました」 手長と足長は、ぐっすり眠っているきよを、静 岡までつれていきました。 つづく