火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 91


第七章 新しい出発 21


次の朝。
「きよ。目がさめたか」
「はい。あなたは?」
「わしは、足長じゃ。そして、こちらが手長」
「私を、淵から助けてくれたかたですね。その節は、
大変お世話になりました。助けていただきありがと
うございました」
きよは、手長と足長にお礼をいいました。


「きよ。ここは、静岡じゃ」
「静岡?」
「そう、静岡じゃ。きよは、これからここで暮らす
のじゃ。このおばあさんと一緒にな」
足長がいいました。
「おばあさんと」
「そうじゃ。このおばあさんと一緒に暮らすのじゃ。
この人は、明神さまの友だちじゃ」


         つづく