2019-10-18 鹿になった観音さま 童話 [童話]鹿になった観音さま 鹿になった観音さま 7 「ばたんっ」 大きな音をたて、鹿がたおれました。 「黄金色の鹿をいとめたぞー」 そうさけんだ時、鹿はどこかへ姿を消してしまい ました。 あっという間のできごとでした。 「おかしいな。たしかに首に矢がささったのに」 三郎は、ふしぎなことがあるものだと思いました。 ぐさっと首にささったはずの矢は、地面に落ちて いました。 矢には、べっとりと血がついています。 つづく