鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 21


「タケル」
「チハヤ」
和尚は、二匹の犬をしっかりだきました。
タケルとチハヤは、和尚の顔をぺろぺろなめて
います。
「タケル、チハヤ。元にもどれてよかったのぅ」
和尚の目から、涙があふれました。


「タケル、チハヤ。さあ、たくさんおあがり」
和尚は、二匹の犬にえさをやりました。
二匹の犬は、よほどおなかがすいていたのでし
ょう。
あっという間に食べてしまいました。
和尚は、二匹の犬をうれしそうにみていました。


         つづく