鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 22


すると、
「和尚さま。た、大変です」
こぞうが、とびこんできました。
「そうぞうしい。なにごとじゃ」
「和尚さま。裏の畑に、大きな石がころがっ
ています」
「何? 石が。どんな石じゃ」
「三メートルくらいある、でかい石です」


「いつから、石があったのじゃ」
「今、畑にいったらありました」
和尚は、いそいで畑へいってみました。
畑には、大きな青い石がころがっていました。
「みごとな石じゃのぅ。この石は、タケルとチ
ハヤのみがわりにちがいない」
和尚は、大きな石をみていいました。


        つづく