瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


瑠璃寺の青獅子 9


晴れた日には、滝一面に太陽があたり、滝から
落ちる水しぶきに、美しい虹がかかります。
男は滝の虹をみた時、「なんて美しい虹だろう」
と思いました。
虹をみていると、汚れてしまった心が、きれい
に洗われるような気がしました。


小屋ができると、男は獅子頭を彫るための木を
探して歩きました。
生きているようにみえる獅子の頭を彫るために
は、どんな木でもいいというわけにはいきません。
軽くて、丈夫で、しかも獅子が宿っている木で
なくてはなりません。


         つづく