瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


瑠璃寺の青獅子 17


のみがきれなくなると、滝へ行き滝に打たれ
ます。
そして、滝にかかる虹をみながら、男は一心
にのみを研ぎました。
のみを研いでいると、ざわざわしていた心が
消え、心が静かになりました。


男は、寝る間もおしみ、獅子頭を彫りつづけ
ました。
いつ食事をしたのか、いつ寝たのか、すぐに
は思い出せないほど、獅子頭を彫ることに熱
中していました。
梅雨があけた頃、ようやく獅子頭の荒彫りが
終わりました。


         つづく