瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


瑠璃寺の青獅子 18


「獅子よ。やっと荒彫りが終わったぞ。早く目を
さましておくれ」
男は、いとおしそうに何度も獅子頭をなでました。


荒彫りが終わると、目・まゆげ・鼻・あごなどを、
一つ一つていねいに彫っていきました。
「ほら、おまえの目ができたよ。大きな目だね」
「どうだ、りりしいまゆだろ。気にいったかい」
「このまあるい大きな鼻。これがおまえの鼻だよ」
そう獅子に話しかけながら、男は細部を彫ってい
きました。


        つづく