瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


瑠璃寺の青獅子 24


その後、滝へ行き、男は身を清めました。
身を清めた男は、獅子頭をもって、滝の上の
方へ登っていきます。
適当な岩をみつけると、獅子頭をその岩の上
へおきました。
男は、獅子頭をじっとみています。


どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。
和尚には、長い時間がすぎたように感じました。
突然、男がさけびました。
「だめだ。この獅子頭は、生きていない。わ
しは、木の中に眠っている獅子を、目ざめさ
すことができなかった。いっしょうけんめい
彫ったけれど、生きているようにみえる獅子
頭は彫れなかった」


         つづく