瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


瑠璃寺の青獅子 28


「ああ、こわかった。こんなこわい思いをし
たのは、初めてじゃ。わしは、悪い夢をみて
いたのだろうか。いや、夢ではない。わしは、
たしかに青い獅子をみた。うおーっとさけぶ
不気味な獅子の声も聞いた。夢でない証拠に、
着物がびっしょりじゃ」
雨でぬれた着物をみて、和尚がつぶやきました。


和尚は、滝つぼへおりて行きました。
すると・・・。
どこからかおごそかな声が聞こえてきました。
「仏師よ。おまえのおかげで、わしは何百年
もの長い眠りからさめることができた。あり
がとう。ある日、わしは、桐の木にとじこめ
られてしまったのじゃ。今まで、わしのこと
を気づいてくれた人は、誰もいなかった。


          つづく