赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 3


しかし、その期待は、みごとにうらぎられま
した。
盛永は、先代の城主以上に、領民たちから厳
しく年貢をとりたてました。
「こんなに年貢が高くては、暮らしていけない」
「嫁とりにまで、税をかけるなんて。これで
は、結婚もできない」
領民たちは、口々になげきました。


「みなのもの、新しい城をつくるぞ」
盛永は、五年間に、三つも城をつくりました。
城を築くため、のべ三千人以上の領民に、石
を運ばせました。
石を運ぶ仕事は、過酷でした。


        つづく