[童話]赤い夕顔の花
赤い夕顔の花 6
「あの山には近づくな。殿様が鹿狩りをして
いるから」
領民たちは、こどもたちにいいきかせました。
盛永は、何かに夢中になると、前後のみさか
いがなくなってしまう人だったのでしょうか。
奥がたは、お万。
心のやさしい、美しい人でした。
お万は、盛永のうわさを聞くたびに、領民や
家臣たちに心の中でわびていました。
「城主になる前は、やさしい人だったのに。
城主になったとたん、人が変わってしまった。
なぜだろう」
お万は、盛永の気持がわかりません。
つづく