赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 14


「お万。すぐ実家にもどるのじゃ。関家のた
めにも、長五郎をしっかり守るのじゃ。お万、
長五郎のこと、頼んだぞ」
盛永がいいました。
お万は、盛永のいいつけで、浪合の実家に戻
ることにしました。


「盛永さま。無事を祈っています。どうか気
をつけて戦ってください。あなたが迎えにき
てくれるのを、実家で待っております」
「お万。道中気をつけて行くのじゃよ。かな
らず迎えにいくから」
「長五郎。母のいうことをよく聞くのだよ」
盛永は、長五郎の頭をやさしくなでました。


         つづく