赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 21


後から、下条の兵士たちが追ってきます。
二人をめがけ、矢や石がとんできます。
「殿様。いつも鹿狩りに行くあの山へ逃げま
しょう。そうすれば、下条の追手から逃げ切
ることができます」
盛永と犬坊は、いつも鹿狩りに行く山に向か
って逃げて行きました。


後をふりかえると、城がめらめらと燃えてい
ます。
「城が燃えている。さっきまで住んでいた城
が燃えている」
盛永が、うわごとのようにいいました。


          つづく