2020-01-09 赤い夕顔の花 童話 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 35 一方、奥がたのお万は、幼い長五郎を胸にだき、 家臣とともに城を出ました。 そして、浪合の実家へ向かいました。 お万たちは、下条の兵士たちにみつからないよ うに、着古した野良着をきて、城を出ました。 誰がみても、奥がたのお万だとは思いません。 「再び、この城に戻ってくることができるだろうか」 城を出る時、お万は、心の中でそっとつぶやき ました。 お万は、夫の盛永や長五郎、犬坊と暮らした日 々を、なつかしく思い出しました。 つづく