赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 46


「そうべえさん。それでは、浪合まで道案内をお
願いします」
お万が、そうべえにお願いしました。
「奥がたさま。もう少し休まれたらどうじゃ。若君
も疲れているようだし」
「そうもいきません。下条の追手がくるかもしれ
ませんから。いっこくも早く、浪合の実家へ帰り
たいと思います」


「では、わしが、若君を背負いましょう」
そういって、そうべえは、長五郎を背負ってくれ
ました。
そして、重い荷物を持ってくれました。
「そうべえさん。ありがとうございます。助かります」


          つづく