風の神様からのおくりもの

[童話]風の神様からのおくりもの


風の神様からのおくりもの 1


五月十日。
からりと晴れたさわやかな日でした。
「ぴゅー、ぴゅーー」
気持の良い風が、諏訪盆地を通りすぎていきます。
風の神様は、いつものように諏訪湖のまわりをひと
まわりして、たったいま社に帰ってきたところです。


「今日も、一日無事に終わりそうじゃな。さて、わし
もひとやすみするか」
神様は、境内の切り株に、腰をおろしました。
「たっ、たった。たっ、たった」
誰かが足早に歩く音が、聞こえてきました。
「誰じゃろう。ひどくあわてているようじゃが。何事
もなければいいがのー」
神様は、ぐるりとあたりをみまわしました。
しかし、誰もいません。


        つづく





「風の神様からのおくりもの」は、みほようこ
初めての童話集「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu1.html


童話集「風の神様からのおくりもの」の価格は、
現在1430円です。