明神さまの姿をみた少女

[童話]明神さまの姿をみた少女


明神さまの姿をみた少女 13


少女は何本かの松虫草の花をたおると、足早
に急な坂道をくだって家にいそぎました。
明神さまが住んでおられる社が、遠くの方にみ
えてきました。
明神さまは少女とわかれた後、風になって諏訪
湖のまわりの村をみまわりしていることでしょう。


今までに「ぴゅー」というさわやかな風の音をき
いた人はおおぜいいますが、明神さまの化身
であるりりしい少年の姿をみたのは、あとにもさ
きにもこの心の優しい少女ひとりだけだったそ
うです。

   
        おわり





「明神さまの姿をみた少女」は、みほようこ
初めての童話集「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu1.html


童話集「風の神様からのおくりもの」の価格は、
現在1430円です。