竜神になった三郎

[童話]竜神になった三郎


   竜神になった三郎 22


しかし、三郎は帰ってきません。
一日たち、二日たち、三日たっても、三郎は帰って
きませんでした。
「三郎さんはどうしたのかしら」
三郎のことが心配で、妻はいてもたってもいられま
せん。
妻は諏訪湖へ行き、朝から晩まで三郎を探しました。
でも、三郎はみつかりませんでした。 


十年が過ぎました。   
ある日、三郎は神様にお願いしました。
「ひとめで良いから、妻にあわせていただきたい」と。
「おまえがこの国へきてから、十年がすぎた。いい
だろう。おまえの願いを、かなえてあげよう。この道
をまっすぐ行けば、おまえが住んでいた村の近くに
でるだろう。妻に会ったら、またこの国へもどってく
るのじゃよ。わしはおまえの帰りを、首を長くして待
っているぞ」
神様はそういいました。

 
     つづく





竜神になった三郎」は、みほようこの二冊目の
童話集「竜神になった三郎」に収録されています。


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