福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


   福寿草になった少女 14


「黄金色の花って、どんな花かしら。どんな形をして
いるのかしら」
福の頭の中は、黄金色の花のことでいっぱいでした。
「黄金色の花、黄金色の花。黄金色の花がみたいなぁ」
そういいながら、福は細い急な道を、どんどん登って
行きました。


やっと、守屋山につきました。
何かにとりつかれたように、福はあてもなく山の中を
歩きまわりました。
黄金色の花といっても、どんな形をしているのか、ど
れくらいの大きさなのか、福には何もわかりません。
春がきたといっても、山の春は遅く、木の芽がほんの
少しふくらんでいるだけです。

  
     つづく





福寿草になった少女」は、みほようこの二冊目の
童話集「竜神になった三郎」に収録されています。


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童話集「竜神になった三郎」の価格は、
現在 1540円です。