福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


   福寿草になった少女 16


福は、枯葉の上に腰をおろしました。
そして、いつの間にか、うとうととねむってしまった
のです。
福の体の上に、少しずつ少しずつ雪が積もってい
きました。


「福や、福や。おきるのじゃ。こんな所でねている
と、こごえしんでしまうぞ」
うすれゆく意識の中で、福はその声を聞きました。
その声は、どこかで聞いたことがあるような、とても
なつかしい声でした。

 
一方、用事からもどった夫婦は、福が家にいない
のに気づきました。
「福やー、福やー」
二人は、あちこちさがしまわりました。
村の人々も、手分けしてさがしてくれました。
しかし、福はどこにもいません。


     つづく





福寿草になった少女」は、みほようこの二冊目の
童話集「竜神になった三郎」に収録されています。


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童話集「竜神になった三郎」の価格は、
現在 1540円です。