福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


   福寿草になった少女 17


「もしかして、守屋山へ行ったのでは・・・」
小雪のちらつく中を、大がかりな山狩りが、一晩中
おこなわれました。
でも、福をみつけることはできませんでした。


「福や、福や。どこへ行ってしまったの」
「この寒さでは、福はこごえしんでしまうだろう。か
わいそうに」
長者夫婦は、いてもたってもいられません。
「福が無事にもどってきますように」
二人は、ひっしで明神さまにお願いしました。


次の朝。
守屋山のふもとの反対側で、雪で真っ白になった
福がみつかりました。
寒さのため、福はこごえ死んでしまったのです。


     つづく





福寿草になった少女」は、みほようこの二冊目の
童話集「竜神になった三郎」に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu2.html


童話集「竜神になった三郎」の価格は、
現在 1540円です。