福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


   福寿草になった少女 19


長者は、たくさんの宝物を、使用人や村の人々に、
おしげもなくわけ与えました。
大切なこどもをなくしてしまった長者には、宝物な
どもう何の価値もなかったのです。


長者は、福がたおれていた場所にも、たくさんの
小判を埋めました。
その後、長者はこじんまりした家をたて、福をしの
びながら、夫婦二人だけでひっそりと暮らしました。


十年が過ぎました。
福の命日に、二人は守屋山に登りました。
「福が生きていたら、今年は十八ね。すてきな娘
になっただろうに・・・・・・」
二人は福のことを思いだしながら、守屋山へ登っ
て行きました。


     つづく





福寿草になった少女」は、みほようこの二冊目の
童話集「竜神になった三郎」に収録されています。


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童話集「竜神になった三郎」の価格は、
現在 1540円です。