ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   小桜姫とふしぎな鈴 9


次の日。
姫は桜の木の下へ行き、桜の鈴を七回ふってみま
した。
「リーン・リーン・リーン…」
すんだ音色が、あたりにひびきわたります。
「昨日、桜の花が話していたことは、本当かしら?」
姫は、桜の花に話しかけました。 

            
「こんにちは」
「……」
「私、小桜よ」
「……」
聞こえなかったのかしらと思い、姫はもう一度鈴を
ふり、ゆっくり話しかけました。
でも、桜の花は何も答えません。
姫は何度も鈴をふり、桜の花に話しかけました。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


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「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。