ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   小桜姫とふしぎな鈴 17


「数百年後、山深い町に、かなという名前の女の
子が生まれるので、二つの鈴を、その少女に渡し
ていただきたい」
ぼだい寺の和尚に、姫はそうお願いしました。
大切な鈴をあずけ安心したのか、姫はしばらくし
て静かになくなりました。


「心のやさしいおくがたさまだったのに、なんでこ
んなに早くなくなってしまったのだろう」
藩の人々は、なげき悲しみました。
「そういえば、おくがたさまはいつも花や小鳥と楽
しそうにお話をしておられたが、おくがたさまは花
や小鳥のことばがわかったのだろうか」
何も知らない藩の人々は、そういってふしぎがりま
した。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


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「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。