ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   朝顔エスカレーター 2


「この鈴はね、鎌倉の和尚さんからいただいた鈴だ
よ。この春、丘へ桜を見に行った時、小桜姫の話を
してあげたね。おぼえているかな? この鈴は、小
桜姫が大切にしていた鈴の一つだよ。小桜姫はね、
二つの鈴を大切にしていたのだよ。もう一つの鈴は
ね…」
ここまで話すと、おとうさんは安心したのか、かなの
手をしっかりにぎりました。

        
「かな、この鈴をいつまでも大切にするのだよ」
こういうと、おとうさんは靜かに息をひきとりました。
時間がたつにつれ、おとうさんの体が、だんだんに
冷たくなっていきました。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


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「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。