ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   朝顔エスカレーター 12


花のまわりを、白や黄や紫のちょうが、ひらひらま
っています。
はるかむこうに、小高い丘がみえました。
丘の上で、誰かが手をふっています。
かなは丘にむかって、広い野原をどんどん走りま
した。


「おとうさんではないだろうか」
丘の上で手をふっていた人も、かけおりてきました。
やはりかなのおとうさんでした。
「とうちゃーん」
かなは、おとうさんの大きな胸の中に、とびこみま
した。
大好きなおとうさんのにおいが、ぷーんとしました。
「かなー」
おとうさんも、かなをしっかりだきしめました。


雪をみているうちに、かなはこたつの中でうとうとと
ねむってしまったのでしょうか。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


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「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。