[童話]ふしぎな鈴
校長先生と桜の鈴 6
それだけではありません。
娘とすごした鎌倉の様子が、走馬灯のように頭の中
にうかんできたのです。
「おとうさま、おとうさまー」とよぶ娘の声まで、校長先
生ははっきり思い出しました。
「やはり、かなは私の娘だったのだ」
校長先生はそう確信しました。
「しかし、かなはまだ幼い。遠い昔のことを話したと
ころで、どうなるものでもない。かなもいつか私のこ
とを知るだろう。その日がくるまで、そっとしておこう」
校長先生はそう心に決めました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。
https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu3.html
「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。